世界で一番稼いでいるのはパズドラとLINE!App Annieによる2013年のアプリ市場9つのトレンド-D2CRアプリセミナー

2014年03月03日 |
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2/27に東京(汐留)で開催された、D2CRさん主催のセミナー「有名ゲームのプロデューサーが語る! 2014年度スマフォゲームはこうなる!こうする! 」に参加してきました。

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本記事ではこちらのセミナーに登壇された、AppAnnieさんの講演で参考になったポイントをまとめたいと思います。

「2013年度のスマホアプリ動向の振り返りと、2014年度の予測」 AppAnnieカントリーディレクター 桑水さん

2013年度のアプリ市場動向サマリー-App Annie Index-

・米国、韓国、日本はアプリストア収益におけるリーダー国だが、BRIC諸国及び他の5地域がダウンロードや収益の成長においては、それら上位国のペースを上回っている。

・世界中のゲーム愛好者が急速に3DS やVitaよりもiPhoneあるいはAndroidを好むようになってきている。iOSアプリストア、Google Playの双方ともに、ゲームアプリからの大きな収益増を経験し、2013年には史上初めて携帯型ゲーム端末を大きく上回った。

・フリーミアムのビジネスモデルは幅広いカテゴリーのアプリで大きな成功を収め続け、中でもゲームが最も利益をあげた。開発者たちは一般消費者がアプリ内課金で選びたくなるような方法を見つけることができた。

・メッセージアプリはソーシャルメッセージプラットフォームへと移行したことで、製品の幅を広げただけでなく収益源についても多様化をもたらした。本来の機能に加えeコマース・電子書籍・音楽の機能も加わった。

2013年9つのトップトレンド

トレンド1:全世界のダウンロード数でGooglePlayがiOSを凌ぐ

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2013年は、世界全体でみるとダウンロード数はGooglePlayのほうが大きくなった。しかしマネタイズ面でみるといまもなおiOSが倍くらい大きいというのが、グローバルでみたときのiOSとGooglePlayの市場。

日本だけでみるとGooglePlayのほうが若干大きいくらいで、日本はグローバルで見ると特殊な市場になってきている。

トレンド2:日本がアプリ収益で米国を上回り世界一に

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iOSとGooglePlayの売上を合計した形で計算すると、2013年の10月時点において日本がアメリカを超えて世界一の市場に。

アメリカを越せたのは、日本のGooglePlayの市場が圧倒的に大きいという点が貢献していて、iOSだけでみればアメリカ市場は日本よりも大きい。

トレンド3:BRICは2013年に成長、新興国は2014年にブレイクか

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右上(水色部分)のトップ3国(日本+韓国+米国)はDL数は1.1倍とそこまで伸びていないが、元々大きかったトップ3国(日本+韓国+米国)の収益は2.7倍になりさらに大きく伸びたという結果に。

その他の国々に関しては2012-13年にかけてDL数はすごく伸びている、真ん中(オレンジ部分)のBRIC(ブラジル+中国+インド+ロシア)はDL数が1.8倍と大きく伸びている。

収益の絶対額はトップ3国と比べると大きくはないが、2012-13年にかけて成長率としては2.7倍に。

左の(黄色部分)の注目市場としてあげている国(香港+インドネシア+メキシコ+台湾+タイ)は、成長率の高い国で、注目しているおもしろい市場。

特に、台湾では売上もかなり上がってきていて、GooglePlayでは日本、韓国、アメリカ、ドイツに続いて、台湾は世界5位の市場までに成長してきている。

トレンド4:アプリストアでのゲーム向け支出が爆発的に増加、携帯型ゲーム端末を上回る

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クオーターごとにAppAnnieとIDCで共同でだしているレポートより。iOS(青)、GooglePlay(赤)、が携帯端末(黄色)(※パッケージとデジタル含む)で比べても、iOSとGooglePlayが携帯端末の3DSやVITAを超えるまでに成長している。

第4クオーター(10-12月)はクリスマス時期ということで携帯端末の市場も季節要因で大きく伸びている、同様に2014年の第4クオーターでも伸びるとは思うが、全体の成長率でいうとiOSやGooglePlayは非常に伸びている。

トレンド5:フリーミアム戦略の成功

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左側(青色)がゲーム2012年はゲームだけで見ると、有料アプリからの売上:14%、アプリ内課金:86% だったものが、

2013年の結果は、有料アプリからの売上:7%、アプリ内課金:93% という結果になり、有料アプリの売上比率が落ちて、市場が成長した部分はすべてアプリ内課金によるものだった。

ゲーム以外においてもメッセージング・出会い系・音楽などが大きく成長し、ゲームほどではないがトレンドとしてはゲームと同様。

トレンド6:メッセージングアプリのプラットフォーム上への展開

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各国のメッセージングツールの状況をまとめている、最近では大型のM&Aが行われるなど盛り上がっている。

トレンド7:2013年は音楽アプリの収益が大きく増加

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音楽アプリの収益が75%以上に増加、特にこれはアメリカのPandoraというラジオアプリが貢献している、PandoraやGarageBandなどのストリーミングや作曲機能をもったアプリが盛り上がっている。

トレンド8:ソーシャル機能を持つ写真・ビデオアプリが広まる

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ソーシャル機能をもつ写真・ビデオアプリも大きくダウンロード数を伸ばした。

トレンド9:モバイルバンキング、ファイナンス管理アプリの増加

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ファイナンス系アプリのダウンロード数が大きく盛り上がった。代表的なものはPaypalやアリペイなど。

国別のトップアプリとトップパブリッシャー

世界全体のダウンロード数ランキング

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左上:ゲームアプリの世界ランキング(ダウンロード)
右上:ゲーム以外の世界ランキング(ダウンロード)
左下:ゲームでの世界パブリッシャーランキング(ダウンロード)
右下:ゲーム以外の世界パブリッシャーランキング(ダウンロード)

ダウンロード数では、Candy CrushやSubway Surfersといったかなりカジュアルなゲームが強い。ワールドワイドでトップ10に入った日本のアプリはLINEのみ。ゲームでもゲーム以外でも9位にランクイン。

世界全体の収益ランキング

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左上:ゲームアプリの世界ランキング(収益)
右上:ゲーム以外の世界ランキング(収益)
左下:ゲームでの世界パブリッシャーランキング(収益)
右下:ゲーム以外の世界パブリッシャーランキング(収益)

2013年のワールドワイドのランキングでは1位がパズドラ、続いてCandy Crash、Clash of Clans、ヘイデイなど。ゲーム以外ではLINEが一位。続いて2位がPandora、3位のZooskは出会い系のアプリ。

収益で見るとゲームではパズドラ、ゲーム以外ではLINEと1位はどちらも日本のアプリ。パブリッシャーランキングでみてもトップ10にはガンホー、LINE、GREE、DeNAがグローバルでランクイン。

日本でのダウンロード数ランキング

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左上:ゲームアプリの日本ランキング(ダウンロード)
右上:ゲーム以外の日本ランキング(ダウンロード)
左下:ゲームでの日本パブリッシャーランキング(ダウンロード)
右下:ゲーム以外の日本パブリッシャーランキング(ダウンロード)

(左上)日本のゲームでダウンロードが多いのは、パズドラ、LINEバブル、LINEポコパン、LINEポップ、LINEウインドランナーなど、
トップ10のうち7本はLINEゲーム、ガンホーが2本。

(右上)ゲーム以外でもLINEやLINEカメラなどが強い。

(左下)ダウンロード数ベースでのパブリッシャートップ10は、LINE、ガンホー、コロプラ、セガ、DeNA、バンダイナムコ、サイバーエージェント、Goodia、GREE。

日本での収益ランキング

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左上:ゲームアプリの日本ランキング(収益)
右上:ゲーム以外の日本ランキング(収益)
左下:ゲームでの日本パブリッシャーランキング(収益)
右下:ゲーム以外の日本パブリッシャーランキング(収益)

(左上)日本での2013年の収益ランキングのトップ10(iOSとGooglaPlayをあわせた収益)は、パズドラ、LINEポコパン、プロ野球PRIDE、魔法使いと黒猫のウィズ、LINEポップ、LINEウインドランナー、LINEバブル、単車の虎、ケリ姫スイーツ、秘宝探偵。

(左下)2013年の収益ベースのパブリッシャーランキングでは、ガンホー、LINE、コロプラ、セガなど。NTTドコモというのは実質的にはD2Cさんの数字(※親会社で集計しているため)

iOSアプリストアのトップカントリーとカテゴリー

iOSトップカントリー

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左側:2013年トップ10の国(iOS、ダウンロード数)
右側:2013年トップ10の国(iOS、収益)

(左側)iOSのダウンロード数では特にアメリカと中国はずば抜けて大きくこの2カ国で全体の40%くらいになる。

(右側)iOSの収益では中国が4つ順位を上げて世界4位に。非常に成長した。
(※表中にプラスマイナスとついているのは2012年との前年比)

この図はゲームでの集計ではなくて、アプリマーケット総合での集計だが、ゲームのみで集計したら中国はイギリスを超えて3位になるくらい、中国はiOSのオフィシャルストアが成長している。

iOSトップカテゴリー

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左側:2013年トップ10のカテゴリ(iOS、ダウンロード数)
右側:2013年トップ10のカテゴリ(iOS、収益)

カテゴリでみるとダウンロードでも収益でもゲーム。他に売上が伸びたカテゴリは、ソーシャルネットワーキングやミュージック。

GooglePlayのトップカントリーとカテゴリー

GooglePlayトップカントリー

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左側:2013年トップ10の国(GooglePlay、ダウンロード数)
右側:2013年トップ10の国(GooglePlay、収益)

(左側)2013年にGooglePlayのダウンロード数でトップ10の国は、アメリカ、韓国、インド、ロシア、ブラジル、ドイツ、日本、メキシコ、スペイン、タイと、GooglePlayでは新興国がかなりランキングに入ってきている。

iOSのほうが市場が全然大きいという国はイギリスとアメリカくらいで、その他の国はほとんどGooglePlayで、新興国は特に完全にGooglePlayという状況。

(右側)売上でみたときには、日本・韓国・アメリカでGooglePlay市場の70%以上を占めている状況は変わっていない、3位のアメリカと4位ドイツの間には非常に大きな差がある。2013年の合計なので台湾は6位になっているが、現状はイギリスを抜いて5位まで上がっている。

GooglePlayトップカテゴリー

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左側:2013年トップ10のカテゴリ(GooglePlay、ダウンロード数)
右側:2013年トップ10のカテゴリ(GooglePlay、収益)

ダウンロードでも収益でもやはりゲームが大きい、特にGooglePlayのほうが全体に対するゲームカテゴリの割合がiOSよりも大きいので、GooglePlayではゲーム以外のマネタイズは難しいということが言える。

取材協力:App AnnieD2CR

まとめ

・日本はついに世界一のアプリ市場になった。
・グローバルでみて携帯型ゲーム市場をゲームアプリが大きく越えていく見込み。
・マネタイズは圧倒的にフリーミアムが強い。
・写真、ビデオ、ファイナンスなど生活に欠かせないジャンルのアプリも大きく伸びている。
・世界的にはAndroidの成長がトレンド。
・日本はiOSとAndroid半々くらいで非常に特殊。
・世界で一番収益を上げているアプリはゲームではパズドラ、ゲーム以外ではLINEと日本のアプリが1位である。

パズドラは今は世界展開もはじめているが、元々ほぼ日本だけの収益で世界トップレベルに稼いでいた、これだけアプリにお金をつかう日本人というのは、本当に異常とも呼べる、しかもまだまだ市場は伸びていますし…今後が楽しみです。

AppAnnieさんでは現在採用募集中だそうです、ご興味ある方はぜひ。
(参照:App Annie 東京オフィスで積極採用中

※一応補足ですが、本記事のタイトルの「世界で一番稼いでいるのはパズドラとLINE」というのは、2013年にゲームで世界一収益をあげたアプリが”パズドラ”、ゲーム以外で世界一収益をあげたアプリが”LINE”という意味です。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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