「東京発のミシュランをつくる」堀江貴文さんに聞く、食べログの課題とグルメアプリ『テリヤキ』の裏側。

2014年05月21日 |
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本日は、グルメアプリ「テリヤキ」を運営している、ホリエモンこと堀江貴文さんと、編集長の蛭田さんのインタビュー記事をお送りします。

元上場ネット企業の社長でもある堀江さんが、どんなことを考えながらサービスを企画し立ち上げているのか、参考にしてみてください。

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グルメアプリ「テリヤキ」について

なぜテリヤキをつくったのですか?

堀江:
まずひとつは、食べログへの不満ですよね。

食べログって要は「電話帳」なんですよね。お店への評価の仕組みが機能不全を起こしているのは間違いなくて、うまい店がみつからない。

つまり評価軸に、接客が良い、雰囲気がおしゃれとかいろいろ混ざっていて、「評価が高い店がうまい」という訳ではない。

特に地方は、食べログの点数が低くてもおいしい店が多かったり。なので、うまいお店がちゃんと評価されて、繁盛する仕組みをつくりたいという気持ちもありますよ。

もちろん、食べログで評価4以上のお店はうまい店が多いですし、それはそれでいいと思っています。

自身の経験から生まれたサービスということですか。

堀江:
そうです、自分が欲しかったんです。

僕の知り合いに、鉄板のおいしいグルメを紹介してくれる人が何人かいたんですよ。それで、いちいちメールとか電話とかで「おいしいお店ない?」って聞いていたのですが、

なんか、毎回聞くの申し訳ないなとおもってきて。だったら、それをアプリの中に入れちゃおうという話です。

キュレーターは何人いる?

堀江:
今テリヤキストと呼ばれる、お店を紹介してくれるキュレーターは22名、厳選して集めています。

彼らは、毎日のようにお店を食べ歩いていて、本当においしいお店を教えることにプライドをもっている人たち、もう「食の変態」ですね。

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(※テリヤキは厳選された”うまい店”を紹介するアプリ、個人的には接待などのビジネス用途などにオススメ。ダウンロードは無料、検索・絞り込み機能は有料。)

テリヤキがはじまって半年ほどですが、店舗からの声はどうですか?

堀江:
最近では、テリヤキが食べログの評価を変えるくらいまで、影響が出てきているケースもあるんですよ。

ぼくも地方にいったときに、テリヤキを見てお店によくいくのですが、その時にお店の人から、「堀江さんのアプリを見て来たって人が結構いるよ」って話も聞いたりします。

あと「テリヤキのお客さんは、良いお客さんばかりだね」という声もある。ご飯をたべずに、ずっとしゃべってるようなお客さんが少ないという。

たぶん、「純粋においしい食べ物がすきな人」が集まっているからじゃないですかね。これを世界に広げていきたいんですよね。

東京は「世界で一番ご飯がおいしい」と言いますが、どう思いますか?

堀江:
東京は世界でみても、おいしい店が一番集まっている都市だと思いますよ、それもオールジャンルで、異常なくらいレベルが高い。

例えば、日本食レストランって日本以外はうまい店ないと思うんですよね。海外にいっても、日本食ってたべたくないですもん。

食通を知っていること自体が堀江さんのキュレーションなので、そこがテリヤキのすごいところ。普通は玉石混淆でキュレーターを開拓してしまう。

堀江:
そうですね、これだけのキュレーターさんに店の情報だしてもらうってなかなか出来ないと思います。完全にそこは人間関係だから、一朝一夕でつくれるものではない。

テリヤキの場合は、すべて私の知人のつてでお願いしていて、キュレーターさんとの人間関係と、キュレーターさんがお店と築き上げている信頼関係が、すべてのベースになっている。

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(※テリヤキストと呼ばれるキュレーターたち。そもそも我々からすると「誰が真の食通か」もわからないので、「キュレーターが厳選されている」「厳選した店を紹介」と二重のキュレーションになっている。)

テリヤキって高いお店だけじゃなくて、安くてもおいしい店もいっぱいありますよね、食べログの評価3.0でもおいしい店もある。

堀江:
そう、食べログで3.0あたりが、おいしい店多いですよ。食べログはたくさんレビューを書いている人が、ポイントが高くなる傾向があるので。

テリヤキはどっちかというと見せ方は雑誌なんです、「おいしい店を、知りたいときに聞ける人たち集めました」っていう。

それで、スマホで雑誌的に食べ物の写真をぱらぱらみながら、「あ、おいしそうだな」という風にしたかった。たとえば雑誌のdancyu(ダンチュウ)とかGoethe(ゲーテ)、のレストラン特集って、すごく良いお店たちが載っている。

でも、雑誌は検索ができないじゃないですか、そして、常にそれは持ち歩きたいわけです。

「この店に行け」という情報だけわかれば十分ということ?

堀江:
うん、「おれたちを信じろ!いけばわかる」っていう。そこは食べログと違うところかな。

食べログってコメントも長いし、スマホ時代のサービスじゃない、「レビューは400文字以上じゃないとダメ」と推奨しているようですが、理解できないんです。

「ハズレの店を引かない」というだけでも価値がありますよね。

堀江:
特に、地方や海外にいって3日間しか滞在時間がない中で、毎日おいしいお店にいくことができたら最高じゃないですか。それを、調べる術がないんですよね。

蛭田:
海外の要望は、特にたくさんいただいています。「アジアのおいしいお店がわからない」「早くシンガポールつくってほしい」と言われますね。

有料プランの月額400円という価格は、そう聞くととても安いともおもえる。

堀江:
情報としては、安いと思いますね。月額400円という価格はミシュランを意識して値付けをしました。「東京発の21世紀のミシュラン」というコンセプト、いつでも検索できるミシュラン。

マネタイズの方法はなぜ検索にしたんですか?

堀江:
いや、そんなに深く考えてないですよ。

そもそも、マネタイズをしようとおもってやっていなくて、「こういうのが欲しい」からはじまっているサービスなので、

まずは、世界で使われるブランドにしていこうって。そこまでいけたら、色々できるようになるとは思っています。

全体で店舗数どのくらいですか、東京とかは割と完成系にちかづいてきている?

蛭田:
掲載店舗数は、1300-1400店舗くらいです。

まだ、中央線沿線は弱いですが、麻布、六本木、渋谷、青山あたりはけっこう充実してきています。

堀江:
いやあ、どうなんだろう?この間いった、日本料理恵比寿とかは超ノーマークだったでしょ。おいしい店だったんだけど、誰も知らなかったんですよ。

やっぱり、うまい店を探すのって大変なんですよね、クチコミのネットワークで広がっていくので。

食べ物って好み、味の好みってあると思うけど、テリヤキつかうときは気に入ったキュレーターをフォローすればいいとかありますか?

堀江:
好みの話は、佐々木俊尚さんにすごい言われたけど、ぼくはそれ思い込みだとおもっているんですよね、うまいものはやっぱりうまいんじゃないかな。

今のところ、テリヤキのお店にいってまずかったという話は聞かないですよ。

アプリの運営、今後の展開など

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テリヤキを実際リリースしてみてうまくいかなかったことはありましたか?

堀江:
開発に関しては、Titaniumは最悪でしたね、残念ながら。Titaniumだったらスマホに最適化したWEBで十分だった。

最初のリリース時は、アプリがカクカクしていたりでしたが、その辺りはリリースしてしまってから改善しようという考えだったのですか?

堀江:
そこは、イベント日程を先に組んでしまっていたので、やむを得ずでした。「Titaniumダメだね」っていって、3ヶ月リリースずらしたりしていると永遠にリリースできないので。

サービスのお披露目パーティー、堀江さんと話せる参加費10万円のすし会は、どのような意図でやっているんですか?

堀江:
すし会は単純にマネタイズとしてです。お披露目パーティーはPRが目的ですね。

蛭田:
すし会はすごい人気で、告知からたったの3時間でチケットが完売しました。参加者からも好評だったので、今後も開催していく予定です。

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(※堀江さんと高級寿司を食べる10万円のテリヤキ食事会は即完売。アメリカの新聞社とかもそうだが、人がたくさん集まっているサービスは、イベントでマネタイズというのも一手か)

制作過程をFacebookで公開して盛り上げていましたが、手応えはありましたか?

堀江:
どうでしょうか、うまくいったのかはわからないです。逆にみなさんに聞きたいくらい。

積極的に情報をキャッチするような層の人には刺さったんじゃないですか、ただ、一般の層の人たちは、残念ながら見ないんですよね。

テリヤキはリリース後に、すぐダウンロード伸びたイメージがあるが、どうでしたか?

蛭田:
リリース1ヶ月で3万ダウンロードまで伸びました。いまは6万ダウンロードくらいで、一日数十〜数百ダウンロード徐々に伸びていっています。

課金ユーザーの数とかは非公開ですか?

堀江:
非公開です、ぶっちゃけ全然まだまだ儲かってないですよ。メンテナンスコストもでないくらいで。

どっちかというとテリヤキブランドが浸透していって、「テリヤキにのっているレストランはおいしい」って認知が広がっていかないと、どうにもならない。

今後のビジネスモデルとして考えているのは?

堀江:
予約や、コンシェルジュ的なサービスは考えています。

お店の空き情報は、ほんと欲しいんですよね、結局、電話して「今から入れますか?」って聞いているわけですから。連絡手段は、メールやLINE@で連携できたら良い。

僕としては、テリヤキ上でお店の予約まで完了させたい、今夜空いているお店が一覧で出てきて、そのままアプリ上で予約できる感じ。

あと、本を7月くらいにだしますよ、「ばかうま」っていうマンガ入りの本です。

蛭田:
お店から「今、空きました」とか連絡がきて、簡易なものでも予約機能があったらいいですよね。

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(※図は編集部作成。テリヤキアプリ上でワンストップでお店選び~予約まで完結させたいということなのだろう。)

起業について

堀江さんはいろんな人からアプローチがあるとおもいますが、無名の人でも、良いプロダクトと情熱があったら話を聞くことはありますか?

堀江:
うーん、無名とか有名は関係ないですけど、どっちかというと自分からアプローチしますね。

アプリとかWEBサービスなら今やパソコンだけあればスタートできますが、もっとみんな起業すれば良いと思いますか?

堀江:
何がしたいのかにもよりますけどね。ただ、今の時代ってやれないことが逆にないのかなとは思う。ほんとパソコンすらいらないかもしれないです、ほとんど僕、スマホで仕事やっていますからね。

原稿を書くのはパソコンのほうが早いですけど、スマホだけで原稿書くこともたまにあるし。そういう時期に近づいてきているのかなっていう気がしますね。

なので、生き方として自分がやりたいことをやればいいと思う、嫌々、会社にいって仕事をしているんだったら起業したほうがいいだろうとは思いますよ!

取材協力:テリヤキ(iOSAndroid

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おわりに-編集後記-

私が感じた堀江さんのすごいところは、推進力とスピード感。たぶんここが、決定的に他の人と違うところなのだと感じた。

推進力というのは「おれがこういうの絶対欲しいからつくる」という気持ちがにじみ出ている感じと、「世界ブランドにまずはもっていく」というコメントからもわかる目線の高さ。

スピード感というのは、取材中も「これはいつまでに出来るんだっけ?」という議論が普通にはじまったり、笑
「とにかく、早く先に進みたくて進みたくて仕方がない」というのを多々感じるシーンがあった。

堀江さんのメルマガを読んでいても、新規ビジネスの相談に対しては、「やってみないとわからないから、とりあえずやってみたほうがいい」というアドバイスが多いが、

とにかく当たり前のことを、愚直に、速いスピードで、すごい勢いで進めていく、これが何より重要なんじゃないかなと感じた。

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(※なお、テリヤキはジャストシステムの調査結果によると、Rettyに続いてグルメキュレーションアプリで利用率2位まで伸びてきている。)

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。有料マガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。【配信提携】LINEニュース【過去連載】週アスPLUS、マックピープル。アプリの取材申請はコチラのページから。
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