「良い商品」だけじゃ成功しない!売上が増えてしまう心理マーケティングが面白い。

2014年01月14日 |
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本日は『選ばれる理由:どうしても売上と利益が増えてしまう心理マーケティング』という本が、
非常に面白かったので紹介したいと思います。

本著の冒頭にこのような言葉が書いてあります。

本書の核心はこれです。
「人は理由が伝われば行動する。そして理由があれば選ばれる。だから「選ばれる理由」をこちらが用意する。」

この言葉が表しているのは、モノを買う時にも「理由」がある。
高くても売れる商品もあれば、値下げしても売れない商品もある。ということです。

本を読んでみて印象的だったポイントをまとめてみました。
気になった方は書籍のほうで詳しく読んでみてください。

まったく同じ見た目でも高いリンゴが売れる

3つのリンゴがあったとします、
あなたがリンゴを買うとしたら、どの値段のリンゴを選びますか?
apple01

結果はこうなります。98円のリンゴを圧倒的に選ぶ人が多い。
80%の人が98円、20%の人が120円、300円はひとつも売れないという結果になりました。
apple02

しかし以下のようにPOPが表示されていたらどうでしょうか。
まったく同じモノを売っているのにも関わらず、20%が98円、40%が120円、40%が300円を選ぶという結果になりました。
apple03

見た目はまったく同じでも、
「蜜が入っている」「糖度が高い」「生産者の名前」などの追加情報を入れるだけで選択は大きく変わってしまう。

値段しかなければ値段で比較するしかないけれど、
付加情報が加わることで300円でも買う人が増えるということになります。

仮に10人がリンゴを買ったとして、売上で計算してみると、
【POPなし】800円+240円   =1,040円
【POPあり】200円+480円+1,200円=1,880円

POPを入れただけで売上が1.8倍になってしまいました。不思議ですね。

これをアプリの話に置き換えて考えてみると、
機能や内容が同じような有料アプリが販売されていたとしても、
見せ方や特徴の訴求によって高いアプリが選ばれる可能性もあるということですね。
以下の3つがあったらどれを選びますか?一番売れるのは300円のアプリかもしれません。
passwordapp

高い商品を売っている会社の商品は「良さそう」に見える

売上の下がっている日本酒の酒造の会社から依頼を受けた時の話。
まず最初に酒造会社に提案をしたのは「10万円の酒をつくってください」(相場よりもはるかに高いお酒をつくってください)ということ。

これはなぜか?

理由は、「4000円の安いお酒をつくっている酒造が出した1万円の大吟醸」と、
「10万円の高い酒をつくっている酒造がだした1万円の大吟醸」では後者のほうが良さそうに見えるから。

初めての商品を買うとき、人は本当に良いものかどうかを実証することが出来ない。そこで「期待値」がもっとも高いものを選ぶ傾向にある。大切なのは良さそうだと思ってもらうこと、つまり「期待感」である。

もう少し身近なもので考えてみると、
(1,500円くらいで食べられる)かっぱ寿司で出てくる1,000円の大トロよりも、
(普段10,000円くらいで食べられる)高級寿司屋で出てくる1,000円の大トロのほうが良さそうだし食べたい。後者のほうが期待値が高いということ。

アプリの場合は値付けを高く設定するシーンというのは少ないと思うが、
とても重要なことなので頭に入れておきたい。

選択肢を用意するときは3択が良い。

松・竹・梅の値付けで売上は変動する。

あなたがうなぎ屋さんをやっているとして松竹梅の3ランクあるとします。
この3つの値段のつけかたで売上が大きく変わってくる。

例えば、松3,000円、竹2,500円、梅1,700円とすると、
梅は極端に質が下がるのではないかと感じる人が多くなる。

松3,000円、竹2,200円、梅1,800円とすると、
松が際立って高く感じるため、竹と梅を比較して少し良さそうな竹の注文が増える。

どれが正解ということはないが、
最大の売上が上がるように戦略的に値段をつけることもビジネスでは大事。

3択には選ぶ喜びがある。

松竹梅の3択で商品構成を練るもうひとつの理由は「選びやすさ」と「選んだ満足感」。

駅や空港の土産物店に入ると「我こそがご当地名物である」と言わんばかりに商品が並べてあるが、買う側からするとどれを選んでよいかわからない。

しかし購買心理として2つしか商品がなかったらそれは少ない。「仕方なく選んだ」「選ばされた」という感情が残ってしまう。3択の場合は「選んだ満足感」が大きく増し、心理的にベターからベストな選択に近づく。

この話はとてもおもしろい。2択だと消去法のようなイメージで選ぶので「選んだ」ではなく「削った」感が強い。飲食店のメニューやWEBサービスでも、3択の料金プランのバランスを変えるだけで売上が変わる。うまく真ん中のプランに落ち着くようにあえて高いプランを用意したるするのも有効。アプリの場合は課金メニューやアドオンは3択にしておくなどは良いと思う。

経済誌の購読案内

ある経済誌の購読案内は以下の値付けがされていた。

1、ウェブ版だけの購読 ・・・59ドル
2、印刷版だけの購読  ・・・125ドル
3、印刷とウェブのセット・・・125ドル

さあ、あなたならどれを選ぶか?
実験結果としては以下のようになった。

1、ウェブ版だけの購読 59ドル ・・・16人
2、印刷版だけの購読  125ドル・・・0人
3、印刷とウェブのセット125ドル・・・84人

当然2のプランを買う人はいない。2の存在意義はなんなのか?
2のプランを設置しているのは一見アホみたいに見えてくる。

しかし2のプランを消して、再度実験をしてみると、

1、ウェブ版だけの購読 59ドル ・・・68人
3、印刷とウェブのセット125ドル・・・32人

2のプランがなくなっただけで、安い1のプランを選ぶ人が増えてしまった。
実は2のプランを用意しておく意味は、高いプランを魅力的にみせるための「おとり」だったのだ。
誰も選ばないけれども、比較して選ぶ上むしろ必要な選択肢。

プラン2(おとり)を入れるだけで売上が43%UPになる。

スーパーやコンビニのプライベートブランドも、
あえてナショナルブランドの横に並べておいて比較させるという戦略のもとで配置されている。

値段でなく選ばれるにはウリが必要

人は安い買い物がしたいわけではなく、良い買い物がしたい。
選ばれるためには「ウリ」が必要。

「当社は技術力が高い」「当社は商品力に優れている」のようなアピールは実際には伝わらず、何も言っていないのと一緒。

比喩や客観的な数字をつかって示すことが大事。
さらに「第三者からの評価」「数字の裏付け」があると信憑性が一気に高まる。

例:
・当社の製品は99.99%の精度でつくられている。これは純金の純度より高い。
・毎日1万個が売れています。
・ご購入したお客様の96%が満足と答えている。
・お子さんが1日100回ほめられる保育所。
・法律の300倍厳しい衛生管理をしている。

数字や実績などはアプリストアの最初の1行目に表示しているアプリは多い。
たとえば以下のような感じ。

アプリ例:
・世界231ヶ国、登録ユーザー数3億3000万人突破!(LINE)
・人気声優の堀江由衣さん、竹達彩奈さんら総勢60名集合!(ガールフレンド仮)
・世界66ヶ国のストアで無料総合ランク1位を獲得!(キャンディークラッシュ)
・転職者の約8割がリクナビNEXT※正社員転職者の実態調査2013.2実施(リクナビNEXT)
・識別精度100%の「すごい名刺管理」アプリ。メディアからも注目「日経パソコン」「アプリソムリエ」(すごい名刺管理)

マイナス面を包み隠さないことがプラスになることも

オーケーストアでは「オネスト(正直)カード」という制度がある。
これは正直であることを売りにしたもの。

・いま販売しているグレープフルーツは酸味が強い。おいしいグレープフルーツは12月に入荷予定。
・長雨の影響でレタスの値段が上がっている。しばらくは他の商品で代替をおすすめします。
・6/21で発泡酒が値下げになります、お急ぎでなければその時までお待ちください。

店内にこのようなPOPがたくさん貼ってある。
商品のマイナス情報を正直に伝えることで、お客様の信頼を高め支持を集めている。

アプリ例:
・ただいまアプリが落ちるバグが生じています、1/30までには復旧予定です。
・来月値下げキャンペーンを実施予定です。安く購入したい方はキャンペーンを利用ください。
・現在機能Aの使用感が非常に悪く使えません、現在一刻も早くバージョンアップできるよう努めています。

自分自身もアプリユーザーとして経験があるが、ネガティブな情報の記載がマイナスになることは少ないように感じる。
逆に「あ、運営はちゃんと問題を認識しているんだな」とおもってスッキリすることのほうが多い。

男女でモノを買う時の基準がちがう。

男女で判断基準が違う。
男性は理性優位、女性は感性優位の傾向。

デジカメを買うとき、
男性は画素数・ズーム倍数・バッテリー持続時間など機能と値段のバランスで判断する、
女性は色やデザイン、簡単に撮れるか、重くないか、その上で機能的にそこそこであれば合格という人が多い。

迷っているお客さんに対しては、男性には「スペック面」でだめ押し、
女性には「美しさ、かわいさ、印象、感情」で決断を促すこと。

明確に男性向け・女性向けがはっきりしているアプリに関しては、
タイトルやディスクリプションを見直してみるのが良いかもしれない。

たとえば「スマホのメモリ解放アプリ」だったら、
こんな感じで男女でキャッチコピーを設定すると良いと思われる。

女性:スマホの動きをワンタッチでサクサクにしよう!もうイライラしない。
男性:スマホの効率を30%アップ、1スペック上のスマホに変化。

お客さんの顔を具体的に想像する

計画通りに売れないときの最大の原因は「買っていただきたいお客様」の顔をイメージ出来ていないことが多い。
良く言われる言葉では「ターゲットが明確でない」

長野のホテルの人気プランに「元気に変身!女のひとり旅」というプランがある。

・いつも頑張っている私のために!
・最大にだらける 朝寝坊の朝食はスッピンでルームサービス。
・最高の幸せ サプリに頼らない新鮮な食べ物で体の内側からリフレッシュ。
・究極のご褒美 とろけるエステは私へのご褒美。

と、キャッチコピーもとても秀逸である。
このプランはどういうお客さんを想像してつくられたのか?

そのホテルの人はこう答えた。
「丸の内に勤める32歳の総合職の女性、ある程度の仕事をまかされている。
でもなかなか結果を出すことが出来ず部長に呼ばれて叱責されることも。
頭を下げ、悔しい思いをしてデスクに座った時に、ホームページを見てもらったときに『あっ!これ私のことだわ。私疲れてるのかもしれない』と感じてもらえるようにつくった。」

お客様像を極端につくられて設計された商品だった。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

心理学や経済学の実験などでもたくさん結果がでていますが、
人間は必ずしも合理的な判断が出来ないものです。

記事で紹介した内容はほんの一部で、
本書の中ではこうした話がまだまだたくさん紹介されています。

事例をたくさん知っていくことは、ビジネスを営む上でとても役に立つと思いますので、
ぜひ気になった方は読んでみてください。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。有料マガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。【配信提携】LINEニュース【過去連載】週アスPLUS、マックピープル。アプリの取材申請はコチラのページから。
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