アプリストア画像を「青色」に変えたらダウンロード率2.1倍。ニューヨーク発の英会話アプリ「OKpanda」が語る、アプリデザインの改善事例。

2016年04月18日 |
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ニューヨークから日本のユーザーを獲得している、英会話アプリ「OKpanda」さんを取材しました。

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※OKpanda CEO アダム・グリースさん、デザイナー 福井 道顕さん。アダムさんは、イスラエル出身で、自身でも英語を習得した経験がある。

OKpandaについて

「OKpanda」についておしえてください。

アダム:
アメリカのニューヨークで「英会話の学習アプリ」を運営している会社です。2012年に創業しまして、現在は12名で活動しています。

いまのところ、日本にフォーカスしていて、OKpanda「ライブ英語」「毎日英語」「シチュエーション英会話練習」という、3つのアプリを公開しています。

アプリのダウンロード数は、どのくらいになっていますか?

アダム:
3アプリの累計で、ざっくり110万ダウンロードという感じです。MAU(マンスリーのアクティブユーザー)でいうと、11万人くらいがつかってくれていますね。

それぞれでいうと、「毎日英語」が50万ダウンロード、「シチュエーション英会話練習」が60万ダウンロード、「ライブ英語」はまだスタートしたばかりです。

いままでで、一番大きく伸びたのは、日本のAppStoreでフィーチャーされたときです。そのときは1週間で、約10万ダウンロードも伸びました。

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※「毎日英語」発音練習のフレーズ集、「シチュエーション英会話練習」英会話体験アプリ、「ライブ英語」はマンツーマン英会話レッスン。

最初に日本でリリースしたのはどうしてですか?

アダム:
実は、当初は「ラテンアメリカからスタートしよう」と考えていました。まずは、ユーザー獲得コストの低い国で、ノウハウを溜めてから、ほかの国に展開しようとしたんですね。

でも、その考えは間違っていて。実際には、国によって文化や環境が違いすぎて、知識やノウハウが応用できなかった。そこで、最初から日本にフォーカスすることに決めました。

なるほど。

アダム:
日本を選んだのは「英会話の市場」がすごく大きくて、「OKpanda」のような新しいサービスを、受け入れてくれる国だからです。あと、ネット環境も良いですしね。

なにより、私は日本が好きなんですよ。留学した経験もあります。とくに最高に愛しているのは「日本のトイレ」です。いまもNYオフィスには、日本のウォシュレット付トイレを設置しています。

福井:
アダムは僕より、日本の歴史にも詳しいですね。年号も正確に覚えているし。「ミチアキは日本人なのに、日本の歴史の年号を覚えていない」と、たまにからかわれます。笑

ユーザーについて

「OKpanda」のアプリは、どんなユーザーにつかわれていますか?

アダム:
ユーザーの目的でいうと、「ビジネスで英語をつかいたい人」が50%、「その他の目的がある人(旅行、日常会話など)」が50%、という感じです。

アプリの利用時間は、1起動あたり数分くらい。それを1日に何度も繰り返すイメージですね。なかには「発音の練習」を2時間もつづける、熱心でクレイジーなユーザーもいますよ。

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日本には「英語を学習している人」って、どのくらいいるのでしょうか?

アダム:
おおよそ、日本で英語を学習している人は、2,000万人くらいかなと推測しています。ただ、一口に「英語学習」といっても、いろんなレベルの人がいると思っていて。

ざっくりいうと、「英会話スクールに通う人」が100万人、「本やアプリで勉強する人」が1,000万人、「NHK英会話や、海外ドラマをみる人」が500~1,000万人、という感じでしょうか。

「ユーザーの満足度」を上げるために、気をつけていることはありますか?

アダム:
「先生のクオリティ」には、すごく気をつかっています。いまOKpandaには、100〜200人の先生がいるのですが、採用合格率でいうと、1%くらいまで絞っていますね。

筆記・文法・実技のスキルはもちろんですけど、「生徒の気持ちがわかるかどうか」もチェックしています。フレンドリーで、思いやりのある先生は、良い先生になるからです。

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どのくらいのユーザーが課金してくれていますか?

アダム:
課金率で言えるのは、「10%には満たない」ということです。課金額はさまざまで、月に2,000円払うユーザーもいれば、月に2万円払うユーザーもいます。

ちなみに、多くの人が離脱するポイントは「レッスン予約前」なんですよ。なぜなら、実際にレッスンでしゃべるのが怖いというか、躊躇してしまうからです。

なので、もっと安心して「レッスンを受けてみよう」と思ってもらえたり、あと予約もすぐに取れるように、改善していきたいと考えています。

「OKpanda」のアプリ改善事例

1、チュートリアルを短くしたら「離脱率」が上がってしまった。

アダム:
これは「毎日英語」アプリの、チュートリアルのお話なんですけど。長いチュートリアルって、ユーザーからすると、Super Mendokusai じゃないですか。

そこで、チュートリアル(アバターが質問してくるような形式)を、70%ほどカットしてみたことがあるんですね。「ユーザーの離脱率」を下げられるのではないかと。

ところが結果としては、逆に「離脱ユーザー」が20%も増えてしまいました。必ずしも「チュートリアルは短いほうが良い」というわけではないんだと学びました。

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2、レッスン予約の画面をアンケートで決めた。

福井:
「ライブ英語」のアプリをリリースする前に、レッスン予約の画面を3パターンつくって、ユーザーに「どのパターンがいいか?」と、アンケートを実施したことがあって。

結果としては、A 25%(写真小、プロフィールあり)、B 60%(写真中、プロフィールあり)、C 15%(写真大、プロフィールなし)となりました。

写真を大きくのせるよりも、1画面で「先生のプロフィール情報」を充実させるのが良かった。これは「プロフィールを見て、先生を決めたい」という人が多いからだと思います。

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3、スクショの色を変えただけで、ダウンロード率が2.1倍になった。

福井:
「ライブ英語」アプリで、AppStoreページの「ABテスト」をしたときに、スクリーンショットの色を変えてみたら、ダウンロード率が2.1倍になりました。

具体的には、色を「ピンク」から「ブルー」に変えただけなんですよ。スクリーンショットと、アプリのUIやアイコンのデザインは、揃えるべきだと理解しました。

ちなみに、キャッチコピーもすこし変えていますが、別で「キャッチコピーだけ」を変えてテストしても、あまり変化がなかったので、「色」が影響したのだと考えています。

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4、スクショの順番を変えたら、ダウンロード率が1.5倍に。

福井:
「ライブ英語」アプリのABテストのつづきです。今度は「スクリーンショットの順番」を変えてみました。

結果としては、1番目に「写真」をもってきたら、ダウンロード率が1.5倍になりました。おそらく「アプリの使用感」を、イメージしやすくなったからですよね。

あとは、授業のときつかえる「チャット」も、表示するようにしました。これも良い方向に数字が動いた、ひとつの要因だったのかもしれません。

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※このABテストは「Store Maven」というサービスで、AppStoreのようなページをつくり、そこに「Facebook広告」でユーザーを送客して、数値を計測したとのこと。

実際に、AppStore上でのデータと、ほぼ似たような結果になったそうで、リリース前にABテストをしたいときには、つかえるかもしれません。

5、ユーザーは「フリートライアル」への不安と警戒がある。

福井:
「ライブ英語」では、はじめに「フリートライアル」が2回できるのですが、これを「本当に無料なのか?」と疑うユーザーが多かった

つまり、思っていたよりたくさんの人が、「勝手に課金されるのではないか?」と不安に思っていて、それをすごく警戒していたんですね。

そこで、アプリ内で「このチケットは無料です」という説明を、何度も伝えるように改善しました。これはユーザーにヒアリングして、はじめてわかったことです。

「購入画面でOKをおさなければ、課金されることはない」と、当たり前に分かっているのは、ぼくらが思っているよりも、リテラシーの高いユーザーだけなのかもしれません。

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英語の学習について。

人が言語をマスターするために、必要なことは何だと思いますか?

アダム:
言語をマスターするためには「恋に落ちること」が必要だと思います。どういうことかというと、たとえば「OKpanda」には、90歳のユーザーがいるんですね。

その方は、現役の研究者でもあるのですが、ちょうど数年前に、ハワイへ旅行にいったときに、英語がうまく通じなかったらしいんです。

彼はそのことが、すごくすごく悔しくて、英語をいまでも勉強しているそうです。やっぱり、そういう何か「強く自分を突き動かすもの」が、言語学習のキーになるんだと思います。

OKpandaを運営していて、英語学習において「日本人ならではの特徴」を何か感じることはありますか?

アダム:
日本人はとても「シャイ」だと思います。英語を話すことを、恥ずかしがる傾向にある。でもやっぱり、英語って語学なので、しゃべったほうが上手くなります。

なので、日本において重要なのは「生徒を励ますこと」じゃないかと思っているんです。生徒のことを、どんどん励まして、英語をしゃべってもらう。そんな気がしませんか?

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最後に、日本から「アメリカでヒットするアプリをつくろう」という会社は多いのですが、なかなかうまくいっていません。それは、どうしてだと感じますか?

アダム:
まず「現地で人を雇うこと」を、していないからだと思います。アメリカに行きたいのに、日本人だけでマネージメントしようとする。そこに無理があるのではと感じます。

やっぱり、重要だと思うのは「好奇心」です。アメリカの文化に興味をもって、理解しようとする気持ちがなければ、アメリカで流行るサービスはつくれません。

あとは「どんな心理でユーザーがつかうのか」「どうしたら、もっとつかいたくなるか」といった人間心理を、よく理解することも大切だと感じます。

取材協力:OKpanda

OKpanda ライブ英語
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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。有料マガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。【配信提携】LINEニュース【過去連載】週アスPLUS、マックピープル。アプリの取材申請はコチラのページから。
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