「1アプリの広告収入は平均40,000円」アドネットワーク「nend」が生データから語る激変のアプリ市場。

2014年10月06日 |
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国内最大級のスマホアドネットワーク「nend」を運営する株式会社ファンコミュニケーションズさんにお話を伺いました。前後編に分けてお届けする予定ですが、前編では「nendのデータからみたアプリ市場」のお話をまとめています。

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※左からnend事業部の中野さん、マネージャーの浅見さん、執行役員の二宮さん。

「メディアサイド(アプリデベロッパー)」のデータで見るアプリ市場

データから見たアプリ広告市場を「メディアサイド」と「広告主サイド」で、大きくふたつに分けて解説いただきました。まずメディアサイド(アプリデベロッパー)側のデータからです。

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※nendはスマホ(アプリ&WEB)のアドネットワークですが、今回はアプリに絞ってのお話。

「広告収益」はiOSとAndroidどちらが稼ぎやすい?

浅見:
アドネットワーク「nend」を導入しているアプリさんの「売上に占めるOSの比率」を見てみますと、1年前までは「ios55%:Android45%」という比率でした。

それが、直近では「ios65%:Android35%」と広告売上がかなりiOS寄りに変化しています。要因としては「AppStoreとGooglePlayのランキングロジックの違い」がひとつ考えられます。

AppStoreは短期的にダウンロード数さえ稼げればランキング上位にあがれる傾向にありますが、GooglePlay(Android)は「ユーザーのアクティブ率」「継続的なダウンロード数」なども複合評価されます。

そのためGooglePlayはランキング上位にあがるのが難しく、個人開発者さんに多い「広告収益モデルのアプリ」にとっては厳しいマーケットだと言えます。

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※あくまでnendの広告収入の話(端末シェアの話ではない)ではあるがiOSが大きくシェアを伸ばした。(図は編集部作成)

ドコモiPhoneの影響がでたのは4月の新生活シーズン。

二宮:
あとiOSが伸びたのはドコモがiPhoneを販売開始した影響もありますね。ただ、ドコモからiPhoneがでた当初(ドコモは2013年9月にiPhone販売開始)は、そこまでデータ上の動きがなかったんですよね。

それが今年の4月にデータが大きく動いたんです。やはり「新生活シーズン」ということで、このタイミングでiPhoneに乗り換えた人が多かったのかなと思います。

最近は「ios65%:Android35%」というバランスで安定しているので、今後はiPhone6でどうなるかなというところです。

「月100万円以上稼ぐアプリ」の数が2倍に。

浅見:
最近デベロッパーさんの間でも「なかなか厳しい時代になったね」と言われていますが、実はnendのデータからもそうした傾向が出ています。

まず「1アプリあたりの収益性」に関しては、一年前と比較しても実はほとんど変わっていなく、1アプリあたりの平均の広告収益額は約4万円です。(※報酬額で1000円以上のアプリが対象)

(【追記】:質問がちらほらあったので補足です。「nend導入の1アプリあたりの広告収入の平均が月4万円(※報酬額で1000円以上のアプリが対象)」になります、生涯収益ではなく月ですね。後述されている通り、二極化が進み「稼いでいるアプリ」が大きく引き上げているとのこと。あくまで参考値としてご覧ください。)

一方で大きく変化したのが「月100万円以上稼ぐヒットアプリの数」です、ここ一年で2倍くらいに増えました。

本来、ヒットアプリが増えたのなら、平均の収益額も増えるはずなのですが、そこが変わらないということは、「稼げるアプリと稼げないアプリの二極化」が進んでいるということです。

つまり月1,000万円も稼ぐアプリがある一方で、まったくヒットしないアプリもたくさん出てきてしまっています。

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アプリ広告の種類が一気に増えた。

浅見:
以前は「320×50」の通常の広告サイズをいれておけばOK、というところだったのが、アイコン、インタースティシャルなどの、広告フォーマットの数が増えてきています。

nendでも「320×50」以外のサイズのシェアが伸びています。特に「300×250」のレクタングルサイズの大きい広告をうまく導入できているアプリは、高い収益性をキープできていることが多いです。

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「広告主サイド」のデータで見るアプリ市場

海外アプリの広告出稿が伸びている。

浅見:
海外クライアントさんの出稿がここ1年でかなり伸びていて、nendへの出稿額で言うと2倍に増えています。特に勢いがあるジャンルとしては「パズル」「ストラテジー」「スロットゲーム」です。

日本に入ってくる順序としては「北米とヨーロッパを制覇して、そして最後に日本」という感じで、海外(欧米)で大きくヒットしたアプリが、課金率の高い日本ユーザーを狙って進出してきています。

国内のアプリだと短期間で広告を出稿してみて、ユーザーからの課金額が見合わなければ撤退というパターンが多いですが、海外アプリは長いスパンで広告出稿を続けている傾向があります。

これは、グローバルで既に大きな売上がある状態で日本に進出してくるので、長期的に資金面でも勝負ができるということだと思います。

二宮:
海外のお客さんは「効果が合えば、今の10倍くらい広告費を使いたい」というニーズがとても強いです。

日本のトップレベルのアプリ企業と比べても、大胆に広告費を投入してきている印象がありますね、今後も海外アプリさんからの出稿額は伸びていくと思いますよ。

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日本のソーシャルゲームは縮小しているのか?

浅見:
一昨年くらいから「ソーシャルゲームはバブルだ、すぐ縮小するだろう」と言われ続けていますが、実は最近でも広告の出稿額は安定的に増えている状況です。

ひとつ変化があったこととしては、「一人のユーザーを獲得するための単価(CPI単価)」が伸びていることです。感覚値ではありますが、平均で1.5-2倍くらいに上がっています。つまり1人のユーザー獲得にたくさんのお金をかけるようになった。

昨年あたりまでは1ユーザーの獲得に300-700円というレベルだったのですが、「1ユーザーの獲得に1,000円以上の広告費をかけても良い」という会社さんも珍しくなくなっていて、我々も驚いています。

理由としては「ユーザーの課金慣れ」が進んでいて、ユーザーの課金に対する感覚が変わってきているというところ。

私自身もゲーマーですが、数年前は「課金はダサい」「課金は甘え」というイメージがありましたが、パズドラが大きくヒットしてからソーシャルゲームに課金するのが当たり前になってきた。

「ゲーマーから一般へ」多様化するソシャゲ。

浅見:
ソーシャルゲームのジャンルとして多いのは「アクション・RPG」です。よく言われるカードバトル系ゲームがやはりメインですね。

最近増えているジャンルとしては、女性受けを狙った「乙女ゲーム」、そして女性アイドルを育てていく「アイドル育成×萌えゲー」、「街づくり系シュミレーション」なども増えています。

課金ユーザーの裾野が広がったことで、いわゆる「ゲーマー層」が遊ぶようなゲームから、ジャンルの多様化が進んでいるのだと感じます。

ニュース・フリマ・マンガも勢いがある。

浅見:
ゲーム以外のジャンルで広告出稿が増えているのが、「ニュース・キュレーション」「フリマ・オークション系」「マンガアプリ」です。

いずれも今年に入って一気に広告出稿額が伸びていて、1年前はこの3ジャンルを足してもnend全体の5%程度しかなかったのですが、直近では13%まで伸びてきている状況です。

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取材協力:株式会社ファンコミュニケーションズ(nend

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編集後記・まとめ

貴重なデータ満載でとても興味深かったです。

nend後編(来週公開予定)の記事では、「どんなジャンルが広告収益をあげやすい?」「稼げるゲームと稼げないゲーム」「今年ヒットしたアプリの3つの共通点」などnendさんに聞いたお話をお届けする予定です。

【後編公開しました】⇒「長く稼ぐアプリはゲームバランスが絶妙」nendが語る「稼げるゲームの条件」と2014年のヒットアプリ3つの傾向。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。有料マガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。【配信提携】LINEニュース【過去連載】週アスPLUS、マックピープル。アプリの取材申請はコチラのページから。
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