「アプリは何がヒットするかわからない、とにかく出す」メタップスCEO佐藤さんが語る世界で成功するアプリ。

2014年09月02日 |
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グローバル8拠点でアプリ収益化支援を行う、メタップスさんにお話を伺いました。前編はアプリ市場について。日本の開発者が海外開発者より優れていること、アプリ市場が伸びている国は・・・?など。

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※メタップスCEOの佐藤 航陽さん。

アプリ市場について

メタップスを始めた2011年と今を比べて「アプリ市場めっちゃ変わったな」と思うことはありますか?

佐藤:
やっぱりアプリのマネタイズはしやすくなりましたよね。あと規模感です、1億人のユーザーを1-2年で増やすことができるってあり得なかったじゃないですか。

個人デベロッパーが二人で開発して「5,000万ユーザーいます、DAUは2000万人います」っていうのが現実的にあり得るようになったのは、すごく感覚として不思議だなと思います。

日本と海外のデベロッパーを見ていて、違いを感じるところはありますか?

佐藤:
海外は基本「グローバル展開にするか?」という議論や概念がないことですね。海外では、単純に世界全部の国にチェックボックス入れてアプリをだしてみて、なぜかよく知らない国で人気が出て・・・と世界に広がっていく。

日本は国ごとに細かく調査して展開していたり、ローカライズを気にしたりとか、細かいというか緻密です。

アプリの場合、スケールを求めるのであれば、まず出してしまうことです。グローバルでヒットアプリをつくった人に「何でこれヒットしたんだ?」って聞いても「わからない」って言うんですよ。笑

もう数千万ダウンロードを超えてくると、何が起きているかわからないんです。そういうランダム性の高い世界なので、「狙って云々」というのはひとつの国に照準を当てて展開する時の話なのかなと。

海外アプリの成功者って「俺はこれおもしろいと思うからつくった」みたいにつくっている人が多いですか?

佐藤:
はい、ゲームとかはもう比較的趣味ですよね。計画的に「このポジションが空いているから、このゲームだせば当たる」みたいにつくるような人は多くない。

あとサービス系、ユーティリティとかは「世界共通のニーズ」を狙ってやっている人たちが多い。ある意味でMessengerアプリもそうでしたしね。昔SMSは一回送るだけで数円かかってたわけで。そこにWhatsupが目をつけて一気に無料で広げていった。

メタップスを導入しているアプリで、伸びているジャンルはありますか?

佐藤:
ゲームは相変わらず好調ですが、コマース系のアプリも数字が上がってきている感覚があります、まだまだ数字は小さいんですけど、成長している。

あとは自己管理系のアプリはダウンロードがめちゃめちゃ伸びている、体重管理だったり、ランニングのデータをクラウド上で管理するものだったり。つまり、万歩計みたいな専用のデバイスからスマホに置き換えられているのでしょうね。

国で見ると勢いがある国はありますか?

佐藤:
ぶっちぎりでインドですね。インドはまだ広告の収益性も低いし、ユーザー課金もまずあり得ない、そしてスマホの普及率も低くて、通信も2Gの世界なんです。

それでもインドのダウンロードベースの成長率は圧倒的です、本当にポテンシャルが読めない国です。

中国はどうですか?佐藤さんが2年前にだした本では「中国では10人に1人ぐらいスマホ」と書いていますが、かなり変わっている?

佐藤:
中国はもう都心部は完全にスマホに切り替わりました、フィーチャーフォンを見ることがもうない。

小米(シャオミ※)かSAMSUNGのスマホつかっている人が多いですかね。日本と同様でテレビCMや電車広告にも、アプリの広告がたくさんでている状況です。(※小米=中国の新興スマホメーカー)

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※2012年にメタップス佐藤さんが出した本「スマホで世界をねらうために知っておきたい3つのこと」いま読み直しても本質は変わらず参考になる、ただ予想以上に時代の変化が早いとも感じる。

日本のデベロッパーがアプリで「世界に展開したい」というときに何をしたらいいですか?

佐藤:
もう、出してしまうのが早いんじゃないですかね?ユニバーサルで使えるアプリの感覚・設計ってのはあると思うので、その感覚を身につけるのは大事だと感じます。

資金とかマーケティングノウハウよりも「この地域はこういう環境だから、こういうニーズがあるな」とぼやって地球全体を見ることができる感覚というか。これは、日本と韓国が一番持っていない感覚かなと思います。

日本と韓国は、国内のアプリ市場が恵まれているからそうなるのでしょうか?

佐藤:
それもあります、あと言語の問題が強いのではないでしょうか。

華人は世界中にいますし、シンガポリアンは英語と中国語が使える人が多くていろんなアプリを使えるけど、日本では英語表記のみのアプリって使われなくて、日本語のアプリしか使われない。それは韓国も同じで、独特なんですよ。

各国のランキング見ていると、台湾やタイは日本人のセンスに近い気がする。欧米よりアジアのほうが攻めやすい?

佐藤:
そうですね、日系のアプリを出してみて「次どこでヒットするか?」というと大体台湾なので。台湾人って親日国ですし、日本のカルチャーが浸透しているんです。

コンビニに、日本語の商品が置いてあったり、日本の雑誌や漫画が置いてある。不思議っちゃ不思議ですよね、カルチャーライズ・ローカライズされなくても受け入れられる。

台湾は日本に一番近い国であり攻略しやすい市場だなとは思います。中国にも近い国なので、台湾に行ってから中国っていう流れは、ゲームとかも大体そうですけど合っていると思いますね。

「白いとこ歩いたら死亡」というアプリが米国でヒットして5,000万円くらい売上がでたそうなのですが、グローバルで成功しているアプリでもそういう話は聞きますか?

佐藤:
結構ありますよ。オフィスを持ってないデベロッパーでも数億円レベルはザラにいます。特に東南アジアが多いですね。

彼らは国内市場のパイが小さいので、必然的にアメリカやインドなどの大きい市場を狙うから。

もうね、何が起こるかわからないですよ。何がどこでかみ合うかが全く読めない。

極端な話、Flappybirdのコピーアプリが200万ダウンロードいくこともあり、欧米のアプリを若干アジア向けにカルチャライズしたら、ものすごくヒットしてしまったとかもある。

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※↑この「Happy Bird Pro」という「Flappybird」クローンのアプリは500万-1,000万ダウンロードされているようだ・・・!

※日本の個人開発者がつくった「白いとこ歩いたら死亡」は日米でヒットし広告収入5,000万円以上という結果に。

日本と海外のデベロッパーの違い。

日本と海外のデベロッパーを比べて「日本人はこれがスゴイ」と思うところはありますか。

佐藤:
日本人は「クリエイティブと緻密さ」では世界一だと思います、ゲームの設計に関しても異常に細かいし、多分誰もかなわないです。

なるほど、それって文化なんですかね。例えば日本人は皆ジャンプのマンガを読んだり、任天堂のゲームやったり、高いレベルのものに触れ続けて育っている。

佐藤:
そうですね、文化かもしれませんし、そもそも日本は人口が少ないからARPU(1ユーザーあたりの課金額)を上げるしかないというのがあるかな。

パイが広ければ、結局ARPUが低くても数でカバーしてしまえばOKじゃないですか。

日本みたいにパイが狭いと、1ユーザーのLTV(1人のユーザーが生涯でもたらす利益)をどれくらい上げられるかに命をかけなきゃいけない。するとこういう異常な緻密さがでてくるんじゃないですかね。

海外のデベロッパーはデータとか全然見てない人も多いですよ。「ユーザー数はエクセルでたまーに見ています」みたいな人も多かったり。笑

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※高品質なゲームは日本ならでは。そしてパズドラやブレイブフロンティアのように、日本発で海外で収益をあげるアプリも出てきている。

日本人はものづくりは得意ですが、ビジネスにするというか「売る」って苦手なんですか。

佐藤:
日本人はマーケティングは下手ですよね。日本では自分が手を挙げて主張すると「出過ぎた真似をするな」と思われるカルチャーなので。

これは「良いものは広まるよね」って言葉を日本人がよく言うのと同じで、マーケティング・情報発信して広めていくのは得意じゃない。

一方でインドや中国って1クラス80人で学習させるので、手を挙げないのはもう死んでるのと一緒。なので、PRやマーケティング力がすごく鍛えられるんだと思います。

そこをうまく切り分けて、協業していくのも必要なのかもしれないですよね。

佐藤:
そうですね、そういう意味ではgumiさんはすごくうまいと思っています。

自社アプリもリリースしていますが、ブレイブフロンティアのような優良なコンテンツを、各国の現地企業で出している。それでマーケティングも現地に任せてしまって分業しているんですよね。

やっぱりエリアによってマーケティングが全然変わってくるので、それを本体のゲーム会社が全部やるってほぼ不可能ですし、分業は必要だなと。

※gumiはブレイブフロンティアで世界で快進撃を続ける。gumi国光さんのFacebookページより。

アプリ収益化支援を行う「メタップス」について

「メタップス」がAndroidアプリのマネタイズに関して、強い国や地域ってありますか?

佐藤:
アジア圏は強いです。中国・台湾・香港などの華人がいる地域はここ数年で急激に伸びています。メタップスの広告主がアジア企業なので、アジアに対しては供給できる広告量が単純に多いんです。

東南アジアは市場自体もホットになってきていますね、ユーザーが課金もするし、デベロッパーとしても売上もでるようになって、この2-3年でかなりマネタイズしやすくなりました。

東南アジアと中華圏に関しては、私たちが世界トップクラスでノウハウを持っているかなと思いますね。

メタップスに「アプリの海外展開について相談したい」というのも可能なんですか?

佐藤:
全然それは大丈夫です。むしろ「単純に広告を出したい」というケースよりも、どちらかというと「ざくっと相談にのってよ」みたいなケースが多いんですよね。

例えば「アジアに展開したいけど、何をしたらいいのかわからない」「どう投資したらいいのかわからない」みたいな意思決定のサポートをして欲しいというニーズが強いです。もしありましたらHPから問い合わせいただければと思います。

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※海外展開やマネタイズの相談などもOKらしい。中間マージンゼロのアドネットワーク「DirectAd」などもある、海外にアプリを展開する時は相談するといいかもしれない。

アプリ開発者にアドバイス、メッセージを送るとしたら?

佐藤:
やはり、アプリのマネタイズの事業をやっているので「儲けて頂きたい」というのが一番ですよね。言えることとしては、何が当たるかわからない市場ではあるので「極力、たくさん出してみる」ということですね。

あと共通のニーズを汲み取れるかどうか、「世界でこういうニーズがあるよね」というのをわかるかどうかが重要。視野が広い人はヒットを生みやすい状況にあると思います。

広告の環境もかなり整ってきましたし、キャラクターをIP化して版権を売るビジネスもできますし、ユーザーさえいれば数年前よりずっとマネタイズしやすくなっていると感じます。私たちで手伝えることがあればぜひご連絡ください。

取材協力:metaps

※近日(来週くらい)公開予定の後編では「スマホや通貨」などについても聞いてみました。

編集後記

「もう考えてもわからない世界なんだから、とにかく出してしまうんだ」ということですね。世界のアプリデベロッパーを見ている視点からの意見で、参考になりました。

metapsさんでは人材も募集されている、ご興味ある方はどうぞ。
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※イラストはイメージ。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。有料マガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。【配信提携】LINEニュース【過去連載】週アスPLUS、マックピープル。アプリの取材申請はコチラのページから。
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