秘訣はAndroidファースト!ファッションアプリ「iQON」急成長の理由はプロダクト改善の徹底追求だった。

2013年11月14日 |
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本日はファッションコーディネートアプリ「iQON」の取材記事をお送りします。

「iQON(アイコン)」 は自分のファッションコーディネートを投稿したり、人のコーディネートを見たりすることができるアプリ。

気に入ったアイテムを見つけたら、クリックしてECでそのまま購入できて、「ファッション雑誌」+「通販」+「コミュニティ」を合体させてスマホで表現したようなサービス、というような印象です。

「iQON」は、2012年にはApple社選定のベストアプリにも選ばれていて、2013年に入り、今年2月に3億円の資金調達を達成するなど注目を集めています。

一体どのようにサービスを運営しているのか?マーケティングを行っているのか?「iQON」を運営している株式会社VASILY、グロースハッカーの築山さん(写真右)・広報の松田さん(写真左)にお話を聞いてきました。

vasily_staff

ここまでやっている会社は少ないだろうなと思うほど、マーケティングや機能改善をしっかりと行われているのが印象的でした。ぜひ参考にしてみてください。以下インタビューです。

今iQONの方は調子的にはどうでしょうか?

築山:
月間150万人がiQONを使い、コーディネートやアイテムを見ています。iQONではコーディネートが1日2000〜3000投稿されています。

コーディネートは一般女性のユーザーさんが作ってくれているのですが、「ここまでオシャレな組み合わせを作るのか」と感心するほどで、完全にCGMとして成り立っています。

コーディネートに使われるアイテムは、提携しているECサイトのアイテムで構成されていて、そこから購入ができるという仕組みになっています。

ファッション雑誌をスマホのインターフェースに置き変えたという印象を受けたのですが、そんなイメージでしょうか?

築山:
そうですね。そのイメージで間違ってないですね。確かに雑誌を見るような感覚で使って欲しいという意図はあります。

ただ雑誌と共存するサービスとも考えていて、その意味では雑誌メディアが伝えたトレンドをユーザーがiQON上で表現するといった、相互補完される、両者がハッピーになれるサービスだと思っています。

雑誌は反響の測定が難しいところがあるのですが、iQONでは気に入ったコーデのアイテムを直接、ECサイトで購入できるという点は、インターネットの特性を活かしたiQONらしさです。

iqon_senizu

誰のコーディネートから売れているっていうのもわかるんですか。

築山:
分かります、ちょうどそれをどう活かすかを考えている最中です。「あのモデルが着てたから買う」という購買行動は、当たり前にあるじゃないですか。

iQONでも「誰々のスタイリストさんが作ったのは、すごいかわいい」みたいな形でファンが付いている状態なんですね。そういう牽引者、インフルエンサーがトレンドや消費をつくるということは既に自然発生していて、それを仕組みとしてどうするか、作るユーザーも見るユーザーも満足するような価値を提供したいと考えています。

「無名だけどコーディネート力があって、そこからすごい売れてる」ということも、もしかしたらあるかもしれないってことですか?

築山:
ですね。間違いなくあると思いますね。

松田:
iQONのユーザーさんから実際にパーソナルスタイリストさんになられた方とか、「どこかで記事を書くのでiQONを使っていいですか?」というのもあって。アマチュアとはいえ、プロみたいな人もたくさんいらっしゃるんですよ。

ビジネスモデルとしては、アフィリエイトになるのでしょうか?

築山:
そうですね、アフィリエイトモデルもありますが、主にはタイアップ型の広告モデルですね。

iQON経由でユーザーが流れてきて、売上を多くあげているECサイトもあるということですよね。

築山:
そうですね、コラージュのコーディネートが消費を生んでいるということは、ユーザーの生活、そして経済に貢献していることです。ただなんとなく楽しいとか、ゲームみたいではなく、消費を生むことは我々のミッションとして追及していきたいところです。

コーディネートを作るユーザーのモチベーションとしては、どういうところなのでしょうか?

築山:
「自己表現と承認欲求の達成」ですね。食べログもポイントやお金のインセンがつくわけでもなくユーザーは無償で動いている。
私が提供した情報が人の役にたつ、そういったものと同じですね。

「このコーディネートかわいいでしょ」⇒「かわいいね」というようなことで満足している?

築山:
そうですね。女性100%っていうところが功を奏しています。女性は基本的に助け合いの精神が働きやすいので。

もしこれが男性も含めてのサービスだとしたら攻撃的な人が現れたりとで、バランスがうまくいかないと思います。

年齢層は若めですか?

築山:
幅広いです。下は10代から上は40代までいます。ターゲティング、パーソナライズドも行っていて、違和感なく使ってもらえつつあります。

例えば、30代の男性が10代のファッション雑誌「メンズエッグ」とか絶対読まないじゃないですか。そうならないよう自然にユーザーごとに適切な情報を送れるようパーソナライズドしています。

これは実はまだAndroidでしかやってなくて、iOSはまもなく導入の予定です。(注:先日のアップデートにてiOSでも導入したとのこと)

Androidでテストをしていたんですか?

はい。Android ファーストをモットーにして、Androidで大胆なテストをするようにしています。

新しい機能に、もし致命的なバグがあったり、ユーザーの反応が圧倒的に悪いということがあったら、非常にリスクですよね。Webならすぐ機能を落とせば反映されますが、アプリはそうはいきません。

さらにはAndroidだと申請からリリースまでほとんど待ち時間が無いですし、前のバージョンに戻すことができるので。

Androidでは毎週新しい機能を必ず毎週リリースしています。それはフルフルで機能を出すわけではなく、リーン的にユーザーに最低限で、かつ最高の価値を提供できるような機能に絞って出します。

そこで本当に良い価値をユーザーに提供できていたら、何らかの数字は必ず動くはずなんですよ。波風立たないんだったら、もうその機能は残念ながらあまり成長の芽はないので、次の企画にシフトする判断をしています。

うまくいった機能は、その後、週単位でバージョンアップを行い続けます。これらの成功した機能の積み上げで最終的に継続率が5%伸びたね、というようにプロダクトサイクルを回しています。

マーケティング面では、ASOとかも完全に同様で、Appleの方は再申請のタイミングじゃないとキーワード変えられないので、基本的にはAndroidの方でスクリーンショットやディスクリプションを変えてしまって、その後の数字や反応を見て、結果良くなったものをiOSに適用しています。

AndroidとiOSでスクリーンショットやアプリタイトルが違っているのはそのタイムラグでしょうか?

築山:
そうです。

(補足:AppStoreとGooglePLayの掲載情報が違う)
iqon_as_gp

AndroidとiOSのユーザーの違いは、何か感じるところがありますか?

築山:
多少Androidの方が粘着性が高いです。Androidの方がユーザーのリテンションだったり、コーディネート投稿やアクション率が高いですね。

これは理由は明確だと思っていて、みんなiOSからリリースするじゃないですか。アプリの新着ランキングを見ててもAppStoreの方が充実してる。一方GooglePlayの方は雑多としてる。

なので、Androidの方で良いものを見つけたらやっぱユーザーは使い続けるんですよね。他になかなか良いアプリが無かったりするし、iOSでは出ているけどまだAndroidリリースしてないみたいな状況があったりするので。

ユーザー数的にはどうですか、比率的に。

築山:
iOSの方が圧倒的にユーザー数は多いです。元々、iOSで先行リリースしていたので。ただ、Androidが今猛烈にまくってるっていう感じですね。

新しい機能を追加する時って一番最初のアイデアが出る段階は、どうやってでてくる?

築山:
定量データと定性データを非常に大切にしてますね。

定量データ的なアプローチとしては、我々はロカリティクスという分析ツールを使っているのですけれど、これはGoogleAnalyticsよりはアプリに特化されたようなツールになっていて、キャンペーンが非常に細かく設定できます。

例えばコーディネートを作った人が、それまでにコーディネートに平均何個ライクしたか、アイテムは何個ライクしたのか、登録後何日後だったのか、ユーザーの成長度合いを追ってくだとか。その数字を基に、数字がこうだからこういう企画が当たるんじゃないかというアプローチをすることがあります。

ただ定量だけでのアイデアは必ず信じないことにしていて、iQONは女性向けのサービスなので、そこに対して社内の女性スタッフの意見を聞きながら、

「数字がこうだからこういうのやろうと思うんだけどどう思う?」「これ良いですね」「そうでも無いです」みたいに進めていますね。

たまにユーザーからのフィードバックを取りたくて、ユーザーアンケートを実施することもあります。300件ぐらい。いずれにしてもユーザーの声も聞くっていうことはかなり意識してますね。

パソコンよりかはアプリに注力していますか?スマホでサイトにアクセスするとアプリのページに飛ばされますね。

築山:
そうですね、Webブラウザよりは確実にアプリという状況です。

スマホ上からWEBサイトにアクセスしてきたユーザーに関しては、ユーザーの利便性を考えてアプリに誘導しています。アプリネイティブのほうがUIやUXを進化させているので、最もいいファッションの発見を体験してもらうためにWebはアプリへ誘導するためのハブとしての役割です。

かなりブランドや雑誌から声かかるんじゃないですか。

築山:
ありがたいことにご相談いただくことが増えてきました。一般ユーザーがiQONを通じてブランドのアイテムを使ってコーディネートという新たなコンテンツを作る、主体的にブランドを体験するという特性を評価いただいています。

9月にブロガーを「公認アカウント」に認定という企画を拝見しました。あれはどんな企画なんですか?

(補足:9月に人気ファッションブロガー約50人がiQONで活動開始というプレスリリースを発表している。)

築山:
例えば新しいアイドルやモデルやタレントが自分のPRしようと思った時に、アメブロを始めたりするのが一般的じゃないですか。

それと同じように、ファッションで活躍してる人達がiQONで活動するというのは、自分のファンマーケティングにつながることでもあるんですよね。iQONのユーザーがそれだけ増えてきているので、その場所にも成り得ているっていう。

女性ってお気に入りのモデルのブログとかをブックマークして、そこを見に行くみたいな行動をとっているので、そのファッション版として、今回テスト的にやってみたっていうところですね。

なぜかというと、雑誌がモデルを意図的に雑誌の顔としてたたせているので、それは同じようにインターネット上でも成り立つだろうなという手応えはあります。実際、気に入って頂けるモデルさんもいらっしゃいますね。

松田:
この方もそうなんですけども、すごいiQONを気に入って頂いて、自分でつくったコーディネートを大体1ヶ月ぐらいの間に31件ほど作られて、すでにiQON上のコメントでユーザーさんとファッションの話で盛り上がっています。

「アニマルクラッチがかわいい!私も買おうか迷ってます!」みたいな感じでコミュニケーションが発生している。既にこうした現象が起きていますね。

アクセス数とかライク数が見えると、モチベーションになりますよね。

松田:
そうですね。

築山:
コーディネートを作るユーザーさんもiQON内の数値をanalyticsみたいに使っていただいていて、投稿したコーディネートのPV数に対してライク率が低いと「あれ?何かあったのかな」というのを想像して、セレクトする服を変えようとか思ったりだとか、そういう使い方をされているようですね。

ファッションブロガーを巻き込むのは良いと思いました。AmazonがAmazonアフィリエイトでやったのと同じで、ブロガーの人が「今日はこういうコーディネートを着ました」ってiQONをブログに載せたらそれが宣伝にもなる。

築山:
そうですね、なりますね。

リリースは2011年でしたっけ?

松田:
サービスは最初はPCの方でリリースされていまして、2010年4月ですね。

築山:
PCでやっていて、なかなか鳴かず飛ばずの時期もあって。で、アプリを始めた2012年3月から急に跳ね始めて、やっぱりスマホなんだっていう。

スマホデバイスの強さを我々も改めて感じているので、そこで経営方針をPCよりも、スマホにシフトしています。

最初は、さっき言ったようにiOSからのリリースでした。で、Androidもおまけ的にじゃないですけど、iOS版と全く同じものをリリースしていたんですけれど、Androidは全く体型が違うじゃないですか、バックキーがあったりだとか。

Androidに適した体験を意識して手を入れ始めて、それが功を奏して、最終的には先ほどお話したように、Androidファースト体制にまで変わったという経緯があります。

アプリのダウンロード数で言うと、公開されているものでどのくらいに?

築山:
アプリのダウンロード数は非公開です。利用数は月間150万〜200万目指しているところで成長している形ですね。

海外ユーザーの人、香港とかアジア系の人も使ってますか?

築山:
いえ、海外ユーザーは数%程度じゃないかなって。これからやる予定はあるにしても、海外のローカライズはまだやってないので。

ファッションって国によって気候も文化も違い、それによって着る服も違います。なので、国ごとにローカライズしていく必要があるので、中途半端に出してイマイチだと思われるのはマイナスでしかないので、今はまだあえてやらないようにしています。

2012年にアプリ版が出た以降、認知度を上げていく、ユーザーを増やしていくフェーズで何か工夫されたこととか、もしくは失敗されたことはありますか?

松田:
実は、アプリを出してからこれまで、1回も広告っていうのを打っていないんですね。特にアプリを出しましたっていう時に何かしたかって言われると、していないんです。

iQONの場合、アプリをダウンロードして頂く流入元がアプリのストアになるんですね。ファッションのアプリってストアにそこまでたくさん無いので、女子が見た時に目にとまってダウンロードして頂いて、それが口コミで広がっていったイメージです。

築山:
加えて補足すると、ASOって言葉は最近ホットになってきているじゃないですか。僕が入社した2013年の2月時点から既にASOは意識されていて、スクリーンショットやアイコンを何パターンも変えるっていうこともやっていました、その努力の積み重ねだと思いますね。

2013年に入ってから安定的にアプリストアのランキングが伸びてるんですよ。これはなぜ?

築山:
これはもう3億の資金調達の後に本腰を入れて人を雇えるようになって、エンジニアも増えて、僕みたいな企画も入って、要は打てる手数が増えたっていうことがまず伸びた理由になります。

手数が増えたことが功を奏して、Googleなどのプラットフォームにも注目されて、今年ですと5月にGoogle I/Oに取り上げられて、サンフランシスコで日本代表として発表させて頂く機会を貰ったりだとか、テレビにも紹介頂く機会も増えました。

あとはパートナーさんが増えたり、ブランドさんと一緒にやることも増えて、そういう積み上げですね。

1つのマーケティング施策というわけではなく、2013年からは組織としてスケールするというところが効いているという形になりますね。

なるほど、広告使ってないんですね!

築山:
全く使ってないですね。しかし、マーケティングという意味では失敗もたくさんしてますよ。

例えば、「”かわいい”のキーワードをASOでやったらどうなる?」とはじめて、順位は上がったけど、DLは実際全然伸びねーよ!となったり。「招待キャンペーン」もやったけれど、いまいち伸びなかった。

「ネタ系」とか「食べ物」、役立つ情報・ニュース系のアプリとかの情報ってシェアされやすいんですけど、「ファッション」はパーソナルなもので、すごいシェアされにくいんですよね。

「今日着ていくジャケットこれがいいよね」とか、「ジャケットに合わせるインナーはコレがいいよね」ってツイート見たことないじゃないですか。そんな課題があって、招待系の施策に関しては今まで当たったことが無いんです。

一時期やったのは「コーディネートをプレゼントする」という企画。

「自分が作ったコーディネートを人に送ろう!」という感じで、「○○さん、ジャケットにそのシャツじゃなくて、こっちのシャツいいんじゃないですか?」と人に提案する。みたいなことがあり得るかなと思ったら、意外に当たらずみたいな。

当時は2週間に1回ぐらいだったんですけど、短いサイクルで新規機能を追加するっていう実験を繰り返してきたからこそ、これはダメで次に行こうとか、これは良かったからこれを伸ばそう、っていうのがわかってきた。

アプリを御社のように早いサイクルで改善していくにあたって、何かコツやヒントとかってありますか?

築山:
割とそこは直感的なんですよね。特に仕組み化してないです。

そういう意味だと、社内のメンバーは基本的に会社のkpiやユーザーの声に意識を向けていて、日々の動きを見ていて、「この日ちょっと数字おかしくない?下がってるのかも?」となったら、仮説を立てて改善していくということを臨機応変にやってます。

1つの施策に拘りすぎないというのも大事だと思います。例えば、スクリーンショットは2週間に1回見てチューニングをかけて、フレッシュネスを保つだとかを気にするくらいだったら、「より良いものを作ってユーザーの満足度が上がれば、口コミで広がるよね」という本質的な部分に時間をかけるのが正しいと考えています。1つの施策でユーザーの満足度が何倍になって、、、なんてことは基本的にないです。数%の満足度の向上となった施策の数が増えれば、それが複利となって主要KPIへ影響を与えると考えています。

なのでASOもやりきりつつあって、この前のチューニングも久しぶりで、3ヶ月ぶりでしたし。

ASOはキーワードによって効果感じるものもありますか?

築山:
効果感じるものもありますし、そうでないものもありますね。

例えば食べ物系だったら、「すき焼き」だとか「お鍋」だとかっていうので検索はしないんですよ。普通のPCのGoogleで検索した方がいいじゃんっていうことがわかってるので。なので一般ワードはまだ普及してないっていう風に思っていて、「こういうアプリがあったら良いよね」と直感的に検索するので、ビッグワードが検索される。

ビッグワードだけは対象にして対策をして、それが終わったら、もう後は本質的なプロダクトを良くする方に注力しましょうという風に、「あえてやりすぎない」という事を意識してます。

AppStoreで「ファッション」で検索1位はすごいですよね。本質的には「プロダクトが良い」っていうところが反映されるので、そこだと思いますけど。

築山:
そうですね、プロダクトちゃんと良くするといったところでの、レビュー数であったり、再起動率であったりだとかの数値を追っているので、それが全て回ってるって感じですね。

やっぱASOというかキーワードを追いかけても、ユーザーには何もメリットがないじゃないですか。それなら、ユーザーの満足する価値の提供に頭を使って、アプリの利用率を上げるということを一番大事にしています。

起動率を上げるためのプッシュ通知だったりとか、何かキャンペーンだったりとか、そういう工夫とかってされてるものありますか。

築山:
もうやりまくってますね。iQONをDLしてもらって「プッシュ通知オン」にすると、結構プッシュが通知がとんでくると思うんですけれど、そこにエッセンスは詰まってますね。

iqon_push
(補足:iQONを観察しているとたしかにプッシュ通知が結構届く。企画やキャンペーンに絡めた「お知らせ」が送られてくるイメージでメルマガとかに近い印象を受けた。そこに強制力はなく自然にアプリを開いてしまう感じ。)

ライバルってどういうところにあるんですか?競合サービス…

築山:
雑誌・ECサイトさんの売上を上げることも僕らのミッションだと思ってるので、競合だとは思っていないです。ただ、スマホのデバイスをみんなが持つようになって、僕昔ソーシャルゲームの運営をやってたからすごい感じるんですけれど、

ゲームをやる時間っていうのは、朝起きた時、昼休み、3時の休憩時間、通勤時、風呂入って寝る前と、触れる時間に限りがあるので、ゲームもそうですし、SNSも、ユーザーから時間を勝ち取るということに関しては、全てがライバルだと思ってます。

ソーシャルでiQONで検索すると、1日に結構な数がつぶやかれていますがどういうシェアの仕方が多いですか?「こんなコーディネートしました!」なのか「これかわいい!」なのか。

築山:
圧倒的にコーディネートですね。自己表現をリアルグラフに伝えるためのポストが圧倒的に多いですね。

「これかわいいよ」っていうアイテムを友達にシェアするよりも、「私が作ったコーディネート」をシェアする率の方が圧倒的に高いです。

理由はすごく単純だと思っていて、「アイテム」に「私」は存在しないじゃないですか。けれど「私が作ったコーディネート」には「私のセンス」が存在するので、そうすると、自分のタイムラインに流していいものになる。

通販の商品ページとかシェアされないですもんね。

築山:
そうですそれはその通りです。

ただこれは悩ましいところで、「私のファッションセンス良いだろ」「センスすげーだろ」っていうようなツイートや、フェイスブックやってるやつってちょっと自尊心強いよね、みたいなのあるので、ここの最適化、最大化はまだまだ課題があると思ってます。

この前、earth music ecologyのアプリ、すごい流行ってたじゃないですか。こういう形でどこかのブランドが盛り上がると、iQONでも影響がでるんですか?

築山:
いや、今のところそれは如実に数値として現れたことはないですけれど、長期的にはブランドさんがアプリを出して、女性ユーザーが使うみたいな流れが起こってほしいですね。

今アプリってどうしてもゲーマーの巣窟みたいな感じになってるじゃないですか。そうするとやっぱ男性が使う、ゲーム好きな女性が使うという風になると思うので、女性向けのツールが増えるのは絶対にプラスになると思います。

築山さんは元々はソーシャルゲームの会社にいらっしゃったんですか?

築山:
はい。僕は元々、前職がウォルト・ディズニー・ジャパンでミッキーのソーシャルゲームや、マーベル、アイアンマン、アベンジャーズのソーシャルゲームをプロデュースしていました。

他のメンバーの方はどういう風に集まったんですか?

築山:
元々代表がYahoo出身なのでYahoo出身のエンジニアに加えて、グリーのエンジニアや、フリーでバリバリ活躍したエンジニアなど、

その後、私も含めてメンバーが加わってきて、後は、松田とかは個人でDJ活動とかもやってたりだとか。

松田:
私は元々iQONのユーザーでもあって。それでアルバイト募集をしてるのを見つけて、入りました。

築山:
ここのスタッフは古くからのiQONユーザーも多くて、ゆえに世界観がわかってて、サービスに対して意見も言ってくれるし、逆に変な方を向いてたらそれは違うと言ってくれることもある。

メンバーは何名くらいいらっしゃるんですか?

築山:
社員が十数名で、インターン・バイト含めて30名ぐらいです。

今アプリ業界って激しいじゃないですか。そう簡単には上手く行かない。そんな中、これから挑戦する人にグロースハッカー的な立場からアドバイスもらえないでしょうか?

築山:
根本的にユーザーに提供することによって価値になるもの、それもまだアプリにないものっていうものを作ってあげれば、まだまだ芽はあるんじゃないかなって思ってますね。

衣食住のところで考えたところの「住む」に関して言うと、賃貸系のアプリとかも、体験としてはPCとあまり変わらないので、

アプリだからこそできる体験が増えれば、過去に「勝ってたサービス」から勝ちを奪えるようになると間違いなく思います。

Bluetooth使ってもいいし、位置情報使ってもいいし、スマホでしかできないこともあるじゃないですか。その掛け合わせだと思いますね。

例えば「農業」って検索エンジンで検索される回数はめちゃくちゃ多いんですよ。けれど農業でサイトビジネスをやる社長とか、サービスやる人ってすごい少ない。

顕在化しているニーズに対してスマホデバイス活かして新しい価値が提供できる、PCではできなかった価値が提供できると、間違いなく流行るんじゃないですかね。

どういう風に勉強とか情報収集をしたらいいですか?

築山:
今フェイスブックやtwitterでレベルの高い人をフォローしてれば、記事も発見できるし、Googleで検索したら欲しい記事が出てくるし、「わからない」っていうのは甘えだと思っています。

情報はこれだけあるので、それをちゃんと駆使出来るかという問題だと思います。

最後に、今後の目標や意気込みについてお聞かせください!

築山:
女性に「iQON知ってる?」って聞いたら100%知っているっていう状態ではないので、ZOZOTOWNとかCanCamのように、誰もが女性がiQONを知っていて、それを使うとおしゃれになるよねっていうことを、当たり前のように語ってくれる状況にはしなきゃいけないなって思ってますね。その上で、アジアにどこまでリーチできるかが勝負。

例えば、タイとか台湾だとかで、「Korean Fashion」とかでWEB検索される回数が上がってきてるんですよ。

要は日本でKARAだとかああいうプロモーションやったのと同じように、韓国が国の予算を付けて、アジアのいろんなところでプロモーションした結果。

日本の場合も、日本のオタクファッションとかアニメっていうものは圧倒的に海外でも受け入れられて、売上も上げているけど、ファッションはそうなっていない。

日本のファッションは元々質が良くてかわいいという文化自体は、「Kawaii」という言葉とともに輸出されているので、受け入れて頂ける。ここをビジネスとしてつなぐプレーヤーが少ないのはもったいない。

国を越えてアジアで普及させて、日本のファッションっていけてるよねっていう世界にしたいなと思ってます。

じゃあ日本、アジアっていうところを長期的に見てる?

築山:
そうですね。長期的ではなく短期的ですね。長期的にはアジアだけでなく、ヨーロッパとかいかにそういうところに波及させられるか。

やっぱ欧州のファッションってかっこいいなっていうじゃないですか。「そういうところに一石投じられないのか」というのが長期的な話になると思います。

iQON-AppStoreGooglePlay

iQON運営のVASILYのオフィス
vasily_office

「Androidファーストで大胆にテストする」
appkaruta_ta_iqon
※イラストはイメージです。

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アプリマーケティング研究所編集部 アプリのマーケティングメディアです。アプリの売上を伸ばす施策やデータが学べるマガジン「月刊アプリマーケティング」もスタートしました。最近の記事は新サイトにて更新しています。取材申請はコチラのページから。
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